ただの読書記録

1日1冊を目標に、本の内容と感想を記録します。

22冊目「キミのお金はどこに消えるのか 令和サバイバル編」

こんばんは。

 

昨日に続いてこのシリーズ。

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 テーマは「どうしたら我々は豊かで幸福になれるのか」。

 まず、不動産投資。比較的利回りが高いが、テールリスク(めったに起こらないけど、起こったら致命的なリスク)がある。不動産でリスクを避けて確実に儲けるには、不動産をたくさん持つ(お金持ちになる)こと。もっとも安全な資産は日本国債だが、利回りが低く、儲からない。大量に買えれば、それなりに儲かる。世の中結局お金持ちが儲かるしくみになっている。

 世の中には「貯蓄のパラドクス」という投資をしないことによるリスクがある。デフレ期には投資をせずに貯蓄しておくことが最も安全だが、日本中の人がそう考えてお金を使わなくなれば、お金が回らずデフレが加速。企業が潰れ、日本が破綻。

 庶民が儲けるには、日本を経済成長させる必要がある。そのためのインフレ。インフレになると、お金の価値が下がるため、投資が増え、企業は雇用を増やし、労働者はよりよい会社へ転職(企業はそれを防ぐために給料UP)、労働者がお金を持ち、消費が増える(物価が上がる)。結果、政府の税収も上がる。そのために今は減税すべきとき。

 日本はなぜ間違え続けているのか。おそらく現状維持バイアスがかかっているため。変化により得することより、変化がもたらす不安が勝って、現状に依存している状況。人間は間違うが、それを正すこともできる。間違いは間違いと言い続けて正していくしかない。

 実際にところ、不安になるほど日本の経済は弱くない。経済破綻はないと財務省が言っている。にも拘わらず消費税を上げるというのは不可解。

 経済をよくするには生産性向上が大事(日本の生産性はG7で最下位)。生産性を上げるには、消費を上げる必要がある。税金を無駄に使わないことも大事だが、使うべきところではしっかり使い、消費を促していくべき。

 貯蓄することは悪ではない。個人の貯金は不幸に耐える力。保険も同じ。経済的不幸の最大の敵は「不確実性」。それに対抗するのが貯金や保険、そして社会保障。個人の貯金や企業の黒字が増えれば、その分国は赤字になるが、経済成長している限りは全く問題ない。むしろそれが普通。国が赤字を恐れて、黒字になろうとすると庶民が不確実性に負ける。

 結局、より多くの人が豊かで幸福に生きるには、市場が活発で、物価が安定(2~4%のインフレ)していること。そのために日本に必要なのは、消費税減税と財政支出

 

[感想]

 前巻から一貫して消費税を下げて、経済を回しましょう、という話でした。未来のありもしない不確実性に怯えるのではなく、今をよくするために政府は政策を打つべき。そして、政府が間違えば、国民は間違えていると声を上げる、そのために正しい知識を身につける必要があるということですね。