ただの読書記録

1日1冊を目標に、本の内容と感想を記録します。

30冊目「ケーキの切れない非行少年たち」

こんばんは。

 

ブログを始めたときはまさか1か月も続くと思いませんでした。一つの節目ではありますが、特別なこともなく、普通に本を読んでいきます。

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 著者は児童精神科医として少年院で法務技官として勤務していた。そこで様々な非行少年と向き合ってきた。凶悪犯罪を行った非行少年の多くは、簡単な足し算・引き算ができない、簡単な図形を写せない、短い文章すら復唱できない、といった見る力・聞く力・想像する力がとても弱い 。そのせいで、対人関係で失敗したり、いじめにあったりし、非行の原因となったいた。知的障害や発達障害があったことに周りが気づかず、適切な教育・支援ができず、最終的に彼らを非行に走らせてしまう。

 犯罪を行った少年は通常少年院で約1年在院する。彼らが変わるきっかけとなるのは、家族のありがた味や苦しみを知ったとき、被害者の視点に立てたとき、将来の目標が決まったとき、信用できる人に出会えたとき、など、「自己への気づき」と「自己評価の向上」が大きい。そのきっかけを作るために大人たちに必要なのは、説教や叱責などではなく、子供自身に出来るだけ多くの気づきの場を提供することだ。そのためには、社会面・学習面・身体面の支援が必要。学習面で重要になるのが認知機能の向上だ。これには「コグトレ(認知機能強化トレーニング)」が有効。朝の1日5分でいい。認知機能のトレーニングは犯罪を減らすことにも繋がる。

 

[感想]

 本屋で立ち読みした時に衝撃を受けて、電子版を買って読んでみました。ケーキが3等分できない、冗談かと思ってしまいました。理解できないのは私だけではないはずで、そんな社会にそういった少年たちがいれば、確かに浮いてしまうように思います。そういった子供たちがいるという認識と、彼らを適切に支援し、導く社会・教育が必要と感じました。